Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
アミノアシルtRNA合成酵素(aaRS)を改変して,非天然型アミノ酸を特異的に認識させようとする場合に,aaRSの基質結合部位の詳細な構造情報が,改変戦略の鍵となる. 本研究では,メタン生成古細菌において新しく発見されたaaRSである,ピロリジルtRNA合成酵素(PylRS)を改変して,翻訳後修飾でつくられるリジン修飾体を,翻訳段階で部位特異的にタンパク質に導入する研究を行った.まず,動物細胞において,PylRSとアンバーサプレッサーtRNAであるtRNA^<Pyl>の組み合わせが,内在性aaRS・tRNAとは相互作用せず,アンバーコドン特異的な非天然型アミノ酸の導入に用いることができることを見出した.その際に,動物細胞における配列非依存的なtRNA発現法を開発した. PylRSは,tRNA^<Pyl>へ,元の基質であるピロリジンもしくは人工的なアミノ酸であるBoc-リジンを結合させる活性をもつ.大腸菌において,PylRS変異体を発現させたときに,あるリジン誘導体がtRNA^<Pyl>へと結合されたかどうかを検出する方法を確立した.野生型のPylRSでは,in vitro転写tRNA^<Pyl>に対しては十分に高い活性を有していたが,大腸菌内におけるサプレッション効率はとても低く,スクリーニングには不十分であった.そこで,ランダム変異をPylRSに導入し,サプレッション効率が向上した変異体をスクリーニングしたところ,リジン誘導体特異的PylRS変異体をスクリーニングするのに十分な基本的活性をもつ酵素が得られた. そのほかに,3-ヨードチロシンを認識する大腸菌TyrRS変異体と各基質との立体構造解析を進め,変異残基の役割を詳細に明らかにした.
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