Project/Area Number |
04J11064
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
林学・森林工学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
大和 万里子 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | Raffaelea quercivora / Quercus crispula / 通水阻害 / キャビテーション脆弱性 / 萎凋 / ナラ類 / カシノナガキクイムシ / 接種時期 |
Research Abstract |
近年、日本海側を中心とする各地においてナラ類の集団的な枯死が多発している。被害木は夏に葉が急激にしおれ、茶褐色に変色して枯死する。被害木の樹幹にはカシノナガキクイムシが大量に穿孔し、木部に複雑な坑道を形成している。坑道付近には変色域が見られ、糸状菌Raffaelea quercivoraが高率で分離される。この菌、R.quercivoraは、ナラ類の樹幹に通水阻害を引き起こし、枯死に至らせる。枯死機構と密接に関わる通水阻害だが、R.quercivoraの感染後、どのようなプロセスを経て通水阻害が発生するのかはまだ明らかになっていない。本研究では、通水阻害発生機構を解明する端緒として、通水阻害域形成と、菌糸の伸長、防御物質による通水組織の閉塞の3つが起きるタイミングと位置を明らかにすることを目的とした。また、R.quercivora接種3ヶ月後のキャビテーション脆弱性を測定した。 接種部水平断面において、通水阻害域は菌糸の存在範囲よりもつねに広かった。また、R.quercivora接種苗の通水阻害域は、滅菌培地を接種した対照苗の阻害域よりも、水平方向に広かった。接種の8日後には、フェノール類、リグニン様物質など防御物質の集積が見られ、これらの防御物質が通水域と通水阻害域の境界部に壁をつくるように集積された。接種3〜4ヶ月後の採取時におけるキャビテーション発生率およびキャビテーション脆弱性曲線は、接種、対照との間で差が見られなかった。つねに菌糸の伸長範囲より広い範囲で通水阻害が起きていたことから、まず通水阻害域が形成し、その後に菌糸の伸長と防御物質の集積が起きると考えられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)