Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本研究は,地球内部で生じる地震波減衰(Q^-1)に関して,岩石と共存する流体相の体積分率,ポア形状,粘性率の寄与を明らかにし,減衰観測値の解析手法の構築をめざすものである.今年度は,強い周波数依存性を示す現象である減衰を室内実験でとらえるために,1mHz-100Hzの広帯域で試料に強制振動を印加できる独自の装置の開発を,昨年より継続して行った. 開発した装置の概要は平成17年度科学研究費補助金実績報告書で報告した.これまでに,装置特性を把握するための予備測定を行った.アクリルを試料とする測定において,Q^-1=0.01程度の微弱な減衰を,広帯域にわたって測定できることを確認した.複数回の測定において,Q^-1は±0.002程度の誤差で再現された.歪振幅10^-6-2×10^-5の範囲では振幅依存性は現れず,装置特性に含まれ得る非線形性は無視できることが示された.また,応力と歪の振幅比から決定されるEの分散から見積もったQE-1は,位相差から決定されたQE^-1と調和的であり,測定データの信頼性が示された. 部分溶融試料の測定結果におけるメルトの存在の寄与を明らかにするために,同じ温度条件下での非溶融試料に関しても測定を行う予定である.部分溶融試料ではメルトの存在が粒成長を促すため,短時間(100時間程度)で界面張力平衡を達成した粒子形状に至るが,非溶融試料では,平衡に達した粒子形状に至るまでにより長い時間が必要であることが予想される.時間にともなう粒成長の進展の程度を明らかにするために,長時間(>200時間)温度制御下においた非溶融試料の顕微鏡観察を行った.等粒状の粒子の成長を観察できた.また,時間にともない粒径が系統的に大きくなっていく様子が観察された.Q^-1の粒径依存性は,減衰のメカニズムを特定するための制約となると考えられる.
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