Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
今回は,近赤外フェムト秒レーザーをワイドギャップ半導体結晶に照射すると,フェムト秒レーザーの強度がある値の場合,2光子励起過程によりフォトルミネッセンス強度が増強されることを見出した. 励起光源に波長800mm,繰り返し周波数80MHz,パルス幅100fsのチタンサファイアレーザーを用いた.この励起光を倍率60,NA0.65の対物レンズで,ZnSe単結晶内部に集光した.励起光強度は,1.23MW/cm^2,0.99MW/cm^2,0.74MW/cm^2,0.49MW/cm^2,0.25MW/cm^2とした.励起光強度が1.23MW/cm^2の場合,照射時間の経過と共にフォトルミネッセンス強度は減少した.これは,以前報告したクエンチング現象である.一方,励起光強度が0.74MW/cm^2では,フォトルミネッセンス強度が時間の経過と共に増加した.励起光を300s照射した後では,フォトルミネッセンス強度はおよそ20%増加した.励起光強度が0.99MW/cm^2,0.49MW/cm^2,0.25MW/cm^2の場合はフォトルミネッセンス強度は一定であった.これは,0.99MW/cm2ではフォトルミネッセンス強度が低くなる現象と高くなる現象が同時に起きて釣り合っている状態,0.49MW/cm2以下では励起光強度が低すぎて何も起きていない状態と考えられる. 次に,励起光強度を0.74MW/cm2として,励起光を走査してフォトルミネッセンス強度の高い領域をZnSe単結晶内部に作製した.励起光を走査した位置は結晶表面から10μmである.励起光はガルバノミラーで走査した.この領域を観察した結果,励起光を走査した部分のみフォトルミネッセンス強度が増加していることが分かった.フォトルミネッセンス強度が増加した領域は,光軸方向,焦平面内共に集光したビームスポット程度の大きさに限定されていた.この現象は,ワイドギャップ半導体結晶内部が局所的にレーザーアニーリングされた結果であると考えている.
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