未熟キウイ果実の細胞壁に結合しているアミラーゼの性質と発現
Project/Area Number |
05F05190
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Horticulture/Landscape architecture
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
櫻井 直樹 (2006) 広島大学, 大学院生物圏科学研究科, 教授
桜井 直樹 (2005) 広島大学, 総合科学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 興軍 広島大学, 大学院生物圏科学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 細胞壁 / トレハロース / トレハラーゼ / キウイ / デンプン / キシログルカン / 果実 / 多糖類 / 加水分解酵素 |
Research Abstract |
デンプンはα-1,4結合したグルコースが重合したものである。従来デンプンは植物細胞では種子などの貯蔵組織の細胞内に含まれていると考えられてきたが、細胞壁にα-グルコシダーゼが発見されることにより、細胞外にも存在するのではないかと疑われ始めた。李氏はキウイ果実の細胞壁成分の分析を行ってきた。その際、ペクチンやヘミセルロース画分にデンプンが残ることが認められた。そこで、キウイを材料として、細胞壁にデンプンを分解する酵素、例えばアミラーゼなどが存在するかどうかを調べた。 17年生のキウイ樹木から果実を成長過程に従って収穫した。収穫した果実は-80度で保管した。果肉を磨砕した後、遠心で細胞壁画分を集め、1M NaCl溶液に懸濁することでイオン結合した、タンパク質を遊離した。次に遊離したタンパク質を、CM-セファロース、ブチルトーヨーパール、Mono-Sカラムで精製し、その酵素活性をデンプン、マルトースなどを用いて測定した。 平成18年度の研究により、キウイの果肉は成熟するにつれて軟化するが、その際、これまで考えられてきたように、キシログルカンと言う多糖類が分解するのではないことを明らかにした。キシログルカンはヨウ素法で定量されるが、キウイ果肉から細胞壁を調整する際に徹底的にデンプンを除去しておくと、キシログルカンの量が果実の成熟課程でまったく変化しないことを明らかにした。したがって、これまで考えられてきたように、細胞壁多糖類中のキシログルカンが分解されその結果細胞壁が軟化して果実が軟化すると言う道筋を考え直す必要が出てきた。さらに、細胞壁からデンプンを分解する酵素として、α-グルコシダーゼ活性を追いかけた結果、トレハロースという植物ではまれな基質を分解するトレハラーゼ活性を細胞壁画分に発見した。この発見は、これまで植物でまれに見つかっていたトレハロースの代謝を考える際に重要なきっかけを与えるものである。本研究で精製されたトレハラーゼは基質としてトレハロースを最もよく分解し、マルトースや他のオリゴ糖に対しては活性が弱くなっており、本研究で発見されたトレハラーゼは、トレハロースを特異的に分解する酵素であると確認できた。 精製したトレハラーゼをSDS-PAGEにかけ、バンドを切り出し、N末のアミノ酸を解読し、それを元にプライマーを設計しトレハラーゼ遺伝子を取ろうと試みたが、部分的な配列が解読できたのみで、全長を読むことが出来なかった。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)