不凍蛋白質分子の界面吸着が氷結晶成長カイネティクスに及ぼす効果の分子レベル研究
Project/Area Number |
05F05309
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Mathematical physics/Fundamental condensed matter physics
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
古川 義純 Hokkaido University, 低温科学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZEPEDA Salvador 北海道大学, 低温科学研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 不凍糖タンパク質 / 氷結晶 / 界面吸着 / 共焦点蛍光顕微鏡 / 再結晶 / ギブストムソン效果 / 結晶成長 / 蛍光 / 界面カイネティクス / 拡散場 |
Research Abstract |
1. 不凍糖タンパク質(Antifreeze Glycoprotein, AFGP)の凍結抑制機能を解明するために、AFGP水溶液中で氷 結晶の自由成長実験を行い、共焦点蛍光顕微鏡でその場観察した。AFGP分子を蛍光分子(FITC)によりラベルすることで、結晶の成長過程におけるAFGP分子の空間分布を明らかにした。結晶成長温度が-0.05℃のときに、界面吸着したAFGP分子間の間隔が21nm±4nmであることが明らかになった。この値から、ギブストムソン効果で界面の融点降下温度を見積もると1.2℃程度であることが予測された。しかしながら、新しいい界面が生成された時点で、AFG分子の界面吸着量がわずかであってもすでに界面の結晶成長は完全に停止することが実験的に示された。すなわち、この事実が示す結論は、氷/水界面へのAFGP分子の吸着挙動は、単に界面に沿った拡散や水溶液相から直接吸着する分だけでは説明できないことを示している。 2. この実験結果をもとに、本研究の結論として新しいタンパク質分子の界面吸着モデルを構築した。それは、二段階可逆吸着モデル(2-step reversible adsorption model)と呼ばれるもので、界面へのAFGPの吸着がまず弱い吸着(不完全吸着)で起こり、それに引き続き強い吸着(完全吸着)の状態に移行する。このモデルにより、初めてAFGP水溶液中で観察される氷結晶成長の熱ヒステリシス現象が合理的に説明された。 3. AFGP分子は、氷結晶の再結晶化も抑制することが知られているが、再結晶過程を蛍光顕微鏡で詳細に観察した。その結果、結晶粒界の三次元ネットワークの観察がはじめて可能になり、実際に再結晶が抑制されることを明らかにした。
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Report
(3 results)
Research Products
(14 results)