Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
ヒトとげっ歯類の比較ゲノム解析から、本領域内にはヒトにあるがげっ歯類にはないmiRNAが7つ存在することが明らかとなった。これらにデータベースに登録されているヒトの既知miRNA中のものを加えた、種・系統特異的なmiRNAの進化および機能、さらにnon-coding RNA(ncRNA)複合領域内のsnoRNAクラスターの機能を明らかにするため、以下を目的とし研究を行った。・既知miRNA中で種・系統特異的な進化を果たしたものの機能を明らかにする。・miRNAおよびsnoRNAクラスターの標的遺伝子を予測し、標的との相互作用の様式を明らかにする。さらに種・系統特異的なメンバーに関し、標的や下流遺伝子に対する機能を解析する。・配列決定および比較ゲノム解析により、既知miRNAおよびncRNA複合領域と、標的遺伝子との共進化の様式を明らかにする。19年度は、より詳細に標的遺伝子の予測をおこなった。具体的には、それぞれのメンバーに対する標的の予測をより高精度におこなった。その結果、本miRNAクラスターの標的としてHox protocadherinなどの遺伝子クラスターが検出された。それに加え、単一の遺伝子を複数のメンバーが標的している例が多数検出された。このことから、本miRNAクラスターは、従来考えていた相互作用のモデルだけではなく、より複雑な相互作用の様式を示し、プロテオームの多様性に大きな影響を与えていることが示唆された。