純電子プラズマを用いた多粒子系の緩和と平衡に関する実験的研究
Project/Area Number |
05J01702
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Plasma science
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
青木 順 京都大学, 環境学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 非中性プラズマ / 平衡 / 多粒子系 |
Research Abstract |
純電子プラズマの閉じ込めに関して、強磁場化と装置の高精度アライメントによって粒子損失を減少させ、長時間に渡る閉じ込めと、その間のゆるやかな緩和過程の観測が可能になっている。この特性を利用し、Penningトラップ中での純電子プラズマの平衡状態への遷移過程を観測する実験を行った。 これまで非中性プラズマの平衡分布については、しばしば理想状態の理論モデルに基づいた議論がなされてきた。このモデルでは、温度ゼロで境界が無い自由空間内という条件が仮定されている。しかし、実験による観測技術が向上するにつれて、実際の実験条件と理想条件との差違による、モデルと実験結果のズレが顕在化してきた。 そこで、我々は実際の実験条件を精確に反映するため、有限温度の効果と、境界となる導体壁に誘起される鏡像電荷の効果を考慮して、実験による観測結果から純電子プラズマの平衡分布を求めた。実験からは、CCDカメラを用いた観測により高精細な磁力線に沿って積分された密度分布が得られるが、ここから直接には軸方向の分布情報は得られない。そこで、電子は軸方向にボルツマン分布をしていると仮定し、実験から得られた径方向の線密度分布を拘束条件として、ボルツマン・ボアッソン方程式を緩和法的に解くことにより3次元平衡分布を導出した。 さらに、ここで得られた高精度の密度・ポテンシャル分布を基盤にして、極少量のサンプリングから平衡状態にある純電子プラズマの温度を測定する手法を開発した。この手法により緩和過程にある純電子プラズマの温度を測定した結果、トラップ中への入射後5秒で0.08eVとなり、その後も温度はゆるやかに下降し15秒後には0.06eVとなった。この温度は室温の2倍程度であるため、室温に保たれている装置の導体壁やトラップ空間内の残留中性ガスがバックグラウンドの熱浴となっている可能性がある。 これらの結果は、英文誌(Phys.Plasmas 13,112109)に投稿・掲載されている。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)