Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Research Abstract |
Polycystinea綱,Phaeodarea綱,そして放散虫に共生する藻類の18S rDNAの塩基配列解析を行い,以下の結果を得た. ・Polycystinea綱に共生する藻類の多様性 これまで放散虫の共生藻は,超薄切片観察(Anderson,1983など)と分子解析(Gastand Caron 2001など)により渦鞭毛藻およびプラシノ藻が確認されていた.今回,Polycystinea綱に共生している藻類の18S rDNAの塩基配列解析を行った結果,ハプト藻とプラシノ藻が共生体として含まれていることを確認した.これにより,渦鞭毛藻,プラシノ藻の他に,今回初めてハプト藻が共生していることが明らかになった.ノルウェーに生息する放散虫の共生藻を分子解析した結果,珪藻類が共生していることが示されたが,餌の可能性もあると考える.今後,超薄切片観察も同時に行う予定である. 共生藻に関してはさらに,採集時期が異なってもSpongaster tetraはプラシノ藻が共生していることが明らかになった.これまで,Polycystinea綱において共生藻類の選択が種特異的なものなのか,それとも柔軟性があるものなのか明らかにされていなかったが,本研究の結果,種特異的である可能性が高いことが示唆された. ・放散虫の系統関係 Polycystinea綱はAcantharea綱,そしてPhaeodarea綱に関しては,Polycystinea綱とAcantharea綱が単系統になり,Phaeodarea綱はこれら2綱とは近縁ではなく,Cercozoaに属するものと単系統を形成し,これまで用いられていた分類を支持しないという昨年の報告と同様の結果となった。
|