Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
オートファジーは細胞内の主要な分解系のひとつであり、オートファジー関連タンパク質(Atg)によって制御されている。酵母ではAtg2が初期オートファゴソーム形成に関与することが示唆されているが、その詳細な局在や機能に関してほとんど明らかになっていない。哺乳類にはAtg2ホモログが存在する為、本研究では、初期オートファゴソーム形成機構を解明する糸口としてAtg2に着目した。まず、動物細胞においてもAtg2がオートファジーに関与するかを調べる為に、Atg2のRNAiを行った。その結果、飢餓前においてLC3-IIの蓄積が若干検出され、飢餓時においてそれらが更に蓄積される事はなかった。また、P62がオートファジーによって分解される事が知られている。Atg2をノックダウンした細胞では、飢餓時において、P62の蓄積が検出された。これらの結果から、動物細胞においてもAtg2がオートファジーに関与している可能性が示唆された。現在、電子顕微鏡観察を行ない、更に解析を進めている。また、免疫沈降法を用いてAtg18の哺乳類ホモログであるWIPI-1、WIPI-2、WIPI-3、WIPI-4とAtg2の結合を解析した。その結果、全てのWIPIとの結合がみられた。特にWIPI-1は隔離膜に局在する事が明らかとなっている。現在、内在性のAtg2とWIPI-1の免疫染色を行い、両者が隔離膜に共局在するか否かについても解析中である。