高速原子間力顕微鏡の開発とタンパク質分子のナノ動態解析
Project/Area Number |
05J05544
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biophysics
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
古寺 哲幸 金沢大学, 自然科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 原子間力顕微鏡 / AFM / 高速AFM / タンパク質 / 機能動態 / リアルタイムAFM / アクトミオシン / ミオシン |
Research Abstract |
高速AFMの時間・空間分解能を一層引き上げるために、ミクロな大きさを持つカンチレバーにパワー変調した赤外レーザーを照射し、光熱膨張現象を用いてカンチレバーをZ方向に直接駆動した。遅い熱伝達過程は、新規に開発した逆伝達補償法を適用するとことで高速化できた。この結果、フィードバック帯域は70kHzから100kHzに拡がり、マイカ表面に緩やかに固定されたタンパク質(ミオシンV)分子を壊すことなく、高い空間分解能でビデオレート観察することに成功した。また、カンチレバーの振動振幅に起こるドリフトを一定に保つ回路を開発し、触圧を僅か数Åオーダーで一定に保ちながら長時間観察することができるようになった。 形状以外の情報を映像として捉えることを目的に、探針と試料間の相互作用によって起こるカンチレバーの振動の位相シフトと周波数シフトを高速に読み取れる回路の開発と評価を行った。ミオシンV分子を観察したところ、形状像に現れない微細な変化を位相シフト像で観察することができた。タンパク質試料表面の粘弾性分布を反映した結果であると考えられる。 開発した高速AFMを用いて、ミオシンVとアクチンフィラメントの相互作用の観察に取り組んだ。ATP存在下で、ミオシンVが2つのモーター部位を交互に使ってアクチンフィラメントに沿って歩行する様子を可視化することに成功した。さらに、ATPaseサイクルの各化学状態におけるアクトミオシンVの結合様式も明らかにできた。また、既にX線結晶構造解析で得られている三次構造(原子モデル)とAFM画像とをマッチングさせる手法の開発と評価を行った。ミオシンII、V、VIの頭部をAFM観察し、それらの原子モデルとAFM画像とをマッチングさせた。AFMの空間分解能は十分とはいえないが、いずれも高い精度でマッチングの回転角度を絞り込むことができた。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)