卵活性化機構におけるカルシニューリン制御因子Sra/DSCR1の役割
Project/Area Number |
05J06381
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Developmental biology
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
武尾 里美 首都大学東京, 理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | カルシニューリン / sra / DSCR1 / 減数分裂 / 卵活性化 / ショウジョウバエ / Sra / 滅数分裂 |
Research Abstract |
Sra/DSCR1/MCIPファミリー蛋白質は、Ca^<2+>依存性脱リン酸化酵素であるcalcineurin (CN)の調節因子としてはたらくことが知られている.この蛋白質は、酵母や培養細胞等を用いた強制発現、in vitroの解析によりCNの阻害因子として同定されたが、一方で変異体解析によってこの蛋白質がCNの活性に必要という証拠が示されており、正の制御因子としての機能も考えられている。しかしながら、この2つの正反対の機能が特定の組織や生物学的プロセスにおいてどのように使い分けられているのか、といった疑問に対しては明確な答えは出ていない。 昨年までの研究で、sraがショウジョウバエの雌の減数分裂に必須であることを見い出した。また、CNの調節サブユニットをコードするCanB2の変異体がsra変異体と同様の表現型を示したことから、生殖細胞ではsraはCNを正に調節しているのではないか、と推測した。そこで本研究では、sraの機能をより詳細に知ることを目的とし、優性阻害型CN(CnA^<DN>)を生殖系列で発現させ、sraとの遺伝学的相互作用を調べた。CnA^<DN>の強制発現により引き起こされる卵のふ化率の低下は、sraヘテロ変異により大きく悪化し、減数分裂異常を引き起こした。このファミリー蛋白質で共通して保存されているSPモチーフ内には、MAPKやGSK-3βによってリン酸化を受けるとされる2つのセリン残基が存在し、このリン酸化調節がCNの正の制御因子としての機能に関わっていると考えられている。リン酸化部位に変異を導入Sra蛋白質による、sra変異体のレスキュー実験を行った結果、sraの減数分裂における機能にはそのリン酸化調節が必要であることを示唆する結果を得た。 以上の結果は、ショウジョウバエにおける減数分裂の進行には、Sraのリン酸化を介したCNの正の調節が重要な機能を持つことを強く示している。今後は、CNシグナルや、その上流もしくは下流ではたらくシグナル経路が減数分裂を調節する分子機構を明らかにすることが課題となるだろう。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)