Project/Area Number |
05J07233
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
金田 芳 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 分子内水素結合 / 分子内水素原子移動反応 / 異性化反応 / レーザー分光 / デンドリマー / 異性化 |
Research Abstract |
水素原子移動反応の巨大分子系への展開として、世代による分子量制御が可能であるデンドリマー構造を用いて、中心部(コア)に2'-ヒドロキシカルコン(HC)を組み込んだ分子を設計、合成した。デンドリマーの特色は、内部環境や分子量を均一にコントロールできるという点にあり、ある特定の現象を追跡するには非常に適した環境場を構築することができる。本研究では、各世代HCデンドリマー(G1-G4)を合成し、各種光化学的測定により、HCデンドリマーの光化学反応における世代効果について検討した。 無置換HCと各世代HCデンドリマーの比較から、デンドリマー構造がコアの励起状態失活過程に著しく影響を与えることを見出した。過渡吸収スペクトル測定を行った結果、無置換HCでは600nm付近に励起三重項過渡種(τ_T=1μs)が観測されたが、高世代HCデンドリマーでは、励起三重項状態が長寿命化(τ_T=4-5μs)し、G4においては約40μsの寿命を示した。さらに酸素による消光速度定数の減少から、高世代デンドリマーにおいては酸素の消光が妨げられていることを明らかにした。また、環化反応量子収率測定の結果、G1ではΦ_<cyc.>=0.0033であったのに対し、G2、G3では、0.0024、0.0014と減少する傾向を示した。このことと励起三重項状態の長寿命化から、高世代デンドリマーでは励起三重項状態におけるC=C結合部位の異性化反応が妨げられ、環化生成物の前駆体であるtrans-keto型互変異性体の生成が抑制されていることが考えられた。
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