Project/Area Number |
05J09970
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biophysics
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐藤 雅之 Osaka University, 大学院・生命機能研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 走電性 / 走化性 / ゆらぎ / 細胞性粘菌 / 細胞運動 / グアニル酸シクラーゼ / PI3K / PI3キナーゼ / cGMP |
Research Abstract |
昨年度までの研究により、走電性応答に関与する細胞内情報伝達分子群を同定することに成功した。そこで次に、細胞運動に対する電場ゆらぎ(ノイズ)の影響を検討することを試みた。これまで定性的にはノイズ付加によるシグナル増強を示唆する結果が得られていた。そこで、本年度は、細胞運動の電場ノイズ周波数依存性を明らかにし、細胞内情報処理システムを電場で変調するための最適な定量的実験条件を検討した。その結果、細胞の運動速度が5kHzの電場振動により顕著に上昇することが明らかとなった。一般に酵素などの蛋白質分子は、ミリ秒から秒程度の時定数で反応を行なうことが知られている。蛋白質分子が1回の反応に伴い一連の構造変化を1回行なうとすれば、構造変化の周波数は1〜1000kHzとなる。今回見つかった周波数依存性は、こうした蛋白質の構造変化の周波数よりも1桁から2桁程度早い。細胞運動の速度を決定している律速反応に関与する蛋白質分子が内在的な構造ゆらぎよりも1桁から2桁早いゆらぎを印加されることにより、反応が加速された可能性がある。こうした現象を説明する理論として、律速反応の速度を決めるエネルギー障壁がゆらぐことによって反応が加速する理論が提案されており(Oosawa,1975)、ノイズを利用したシグナル伝達の制御法として注目される。今後は電場ゆらぎを印加しているときの走電性情報伝達分子の挙動を観察することが重要であるほか、確率共鳴理論の適用についても今後検討を進める必要があるだろう。
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