上皮組織におけるがん原遺伝子Srcとその制御因子CSKの機能解析
Project/Area Number |
05J09996
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Experimental pathology
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
八木 玲子 Osaka University, 生命機能研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | Csk / SFK / 表皮 / 細胞骨格 / 炎症 / コンディショナルノックアウト / 上皮細胞 / コンディションルノックアウ / 細胞間接着 |
Research Abstract |
本研究は上皮組織におけるSFKの生理的役割と、Cskの担うSFKの活性制御機構破綻によるがんの形成や悪性化促進の分子機序解明を目的としている。 これまでに、Cskを表皮特異的にノックアウトしたK5 Csk-KOマウスにおいて表皮細胞の過剰増殖、分化の遅延、細胞間接着や細胞骨格の形成異常、MMPなどの発現上昇が確認されていた。さらに細胞骨格形成異常はRaclの恒常的活性化によるものであることが示され、表皮の肥厚化は表皮下での炎症誘導に伴うものであることが示唆された。 これらの表現型はがんの形成・悪生化の過程で見られるものであることから、化学物質による多段階的発癌実験を試みた。その結果、Cskのヘテロノックアウトにおいても腫瘍の形成促進が認めちれた。SFKはがんのごく後期過程、特に浸潤・転移の過程に関与していると考えられているため、初期の段階にも関与しうるというこの結果はがんとCsk/SFKシグナルとの関係を理解する上で興味深い結果であると考えられる。 また、Cskノックアウト細胞は極性形成にも異常が認められることがわかった。FRETによってRhoファミリーsmallGTPasesの細胞内活性変化を観察したところ、Cskノックアウト細胞では一方向での局所的な活性変化が認められず、細胞辺縁全体で活性化が認められた。これによってCskノックアウト細胞の運動性か低下したのではないかと考えられる。また、細胞間接着形成時、通常はRaclの活性低下が認められるが、Cskノックアウト細胞ではそれが認められず、細胞間接着形成異常の原因のひとつと考えられた。これらのことから、SFKの活性制御機構はRhoファミリーの局所的な活性化を生み出すために必要不可欠であることがわかった。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)