規範と芸術フランス19世紀前半における国語教育と文学
Project/Area Number |
05J10320
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
ヨーロッパ語系文学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
笠間 直穂子 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2007: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2006: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2005: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | フランス文学 / フランス語教育史 / フローベール / 19世紀フランス文学 / 学校文法 |
Research Abstract |
最終年度にあたる平成19年度は、フランス18世紀後半から19世紀前半にかけての国語教育に関する補足調査をおこなういっぽう、前年度までの調査を踏まえて、文学の実作および文学批評が当時の文法的・修辞学的常職と取り結ぶ関係にまつわる論文を発表した。 国語教科書の文献調査については、国内での作業のほか、夏期に三週間フランスに滞在し、パリのフランス国立図書館において作業をおこなった。また、19世紀の講壇文学批評についてもさらなる調査を進めた。 発表論文1では、研究課題の主軸をなす作家であるギュスターヴ・フローベールの文法的特異性が、デビュー以前の段階ですでに大幅に、かつ複雑なかたちで現れていることを、言語学・文体論研究を参照しながら示した。 発表論文2および口頭発表1では、フローベール初期作品の手稿に見られる話法上の特徴を出発点として、作家が所持し愛読していた古典主義作家ラ・フォンテーヌの『寓話』の19世紀初頭に刊行された版と比較し、さらに18世紀・19世紀の文法書、修辞学概説書における話法関連の記述と詳細に照らし合わせた。これにより、近現代の文学作品にとって欠くことのできない要素である直接話法導入の印刷記号の用法が、文法的基準と修辞学的基準とのせめぎ合いを通じ、19世紀前半にかけて現行の形態に確定したことを明らかにした。また、この印刷記号にまつわる錯綜した歴史がフィクション形式としての文学のあり方に深く関わるものであり、現代における文学作品の校訂作業にも影響をおよぼしていることを指摘した。 19世紀前半の講壇批評に関する調査の結果もふくめた論文を平成20年度内に発表する予定で執筆を進めている。
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)