Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
前年度で,擬2次元系の粉体ガスの巨視的な性質,及びその統計性が,系の励起頻度を表すパラメータ, Ken=(平均励起間隔)/(平均衝突時間)によって理解される事を得た.これは本質的には熱的な効果が系に存在するかどうかを示唆していたが,その理論的な基礎付けについては与えられていなかった.そこで,本年度は,数値計算を通じて,その事を確かめることを行った.その結果,熱的な励起を反映したGaussian分布を得,前年度において発見された効果が正しいことが立証された. 一方冷却粉体ガス系の結果について,理想系においてエネルギーの減衰がHaff則に従うこと,そしてその際の速度分布関数が指数分布になる事を確かめた.ここで理論的には,Haff則について系の一様性が仮定されていたが,系の非一様性の成長をPercolationのアイデアを援用して物理的に定量化する事で,Haff則からのずれが系の非一様性の成長と深く関わっていることを定量的に示すことに成功した.ここで系の非一様性は粒子がどの程度近接しているのかを仮想的なクラスターを考察し,最大クラスターサイズを全粒子数で割ることによって定量化している.系に非一性が存在しないような状況であれば,こうして定義された非一様性は仮想半径に対し,単調に階段関数的な振る舞いを示して増加する.しかし,系に非一様性が存在する場合には,系の非自明な中間スケールが存在し,それが2段階的な増加として反映される.この事を具体的に示す事に成功し,その非一様性の値の時間的な成長が,Haff則からのずれとの間に非常に良い対応関係が存在することがわかった. 以上のようにして得られた知見は,粉体ガスの動力学を考察する上で非常に肝要である.また,最後の日一様性に関する議論は後期に開始した粉体系におけるガラス転移現象との関わりの研究において非常に重要な示唆を与える結果であろう.
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