Project/Area Number |
05J11828
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Condensed matter physics 1
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤岡 宏之 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | K中間子 / K中間子原子核 / 強い相互作用 / ストレンジネス / ハイパー核 / 原子核 |
Research Abstract |
イタリア・フラスカティ研究所にある電子・陽電子加器DAΦNEにおいて、低速のK中間子ビームを用いたFINUDA実験のデータ収集を2006年10月から2007年6月まで行った。本研究は、吸収反応によって放出されるハイペロンと核子の対の同時検出を通じて、反K中間子と2核子の束縛系について知見を得ることを目指している。2003年〜2004年のデータの解析の結果、∧粒子と陽子の不変質量分布からK^-ppという束縛状態の存在を示唆する結果が得られていた。しかしながら、K^-pp状態の存在を仮定しない解釈(準自由2核子吸収後、残核との終状態相互作用により運動エネルギーが変化するという解釈など)も存在し、どちらめ解釈がより妥当かを知るためには、他のチャンネルについて同時に調べる必要があると考えた。ところが他のハイペロンと核子の対は中性子を終状態に持つために、以前のデータでは統計が不十分であった。今回、以前のデータの5倍程度のデータを取得することに成功し、「∧粒子と陽子」の対に加え、「∧粒子と中性子」、「負Σ粒子と陽子」の対の合計3種類の対について同時に解析を行った。 以前の解析結果同様、Λ粒子と陽子の不変質量あるいはエネルギー和分布は、始状態に相当する閾値から大きく減少しているのに対し、他の2種類のエネルギー和は、閾値の近傍に集中して分布していることが分かった。前者は原子核中の2個の陽子による吸収であり、後者は陽子と中性子による吸収である。2種類の吸収過程に由来する終状態のエネルギー和分布の違いは、吸収過程自体の違いを示唆するものであり、2個の陽子による吸収の場合にのみK^-PPという深い束縛状態が出来たと仮定することで統一的に説明できるかもしれない。一方で、以前から指摘されていた他の解釈の可能性についてはチャンネル毎の大きな依存性を持たないため、本研究で新たに得られた結果を説明するのが困難であると考えられる。
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