組み換え体とFRET法を用いた、ダイニンすべり運動を引き起こす構造変化の検出
Project/Area Number |
05J12089
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biophysics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
最上 聡文 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ダイニン / 微小管 / 分子モーター / ATP加水分解反応 / ストップトフロー / パワーストローク / FRET / AAA+モジュール / ATPase / AAA / キネティクス / モーター / 細胞性粘菌 / FlAsH |
Research Abstract |
ダイニンの微小管すべり運動の分子構を明らかにする目的で、FRET受容本GFPをレバーアームとして能する尾部末端に融合し、FRET供与体BFPをAAAリング内に融合した組換えモータードメインを作り、GFP-BFPのFRET効率をさまざまなヌクレオチド存在下で計測した.その結果、ATP加水分解反応の中間状態として、レバーアームがAAAリング上でふたつの位置をとることがあきらかになった.ひとつは、パワーストロークが終わった状態に対応し、もうひとつはパワーストローク直前の状態に対応していた.このFRET効率をプローブとして、ATP結合から加水分解、そしてパワーストロークにいたる構造変化のキネティックスをストップトフロー測定装置で検出した,その結果、ATP結合直後に素早いレバーアームスイングがあり、ADP状態でこのレバーアームスイングが元に戻る反応がゆっくりとおこることが明らかとなった. ダイニンモータードメインには3か所のATP加水分解部位と1か所のADP/ATP結合部位がある.それぞれの部位の役割をあきらかにするために、各部位のWalkerAおよびWalkerB配列に部位特異的変異を導入し、ヌクレオチド結合、あるいはヌクレオチド加水分解を特異的に阻害した変異体を作成した.それぞれの変異体について、FRET変化をプローブとしてレバーアームスイングを追った.その結果、1)AAAリング中の最初のAAA+モジュール(AAA1)がパワーストロークを駆動しているATP加水分解部位であること、2)3番目と4番目のAAA+モジュール(AAA3とAAA4)での加水分解サイクルは、パワーストローク駆動には直接にはかかわっていないが、AAA1の加水分解サイクルと強く共役することで、パワーストロークサイクルを調節していること、3)2番目のAAA+モジュール(AAA2)はおそらくADP結合部位であること、があきらかとなった.このように、本研究によって、これまで不明であったダイニンのATP加水分解反応とそのパワーストロークの関係を速度論的立場からあきらかにすることができた.
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)