結晶学的アプローチによる新しい再生骨評価法の確立と配向化メカニズムの解明
Project/Area Number |
05J50662
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Structural/Functional materials
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石本 卓也 大阪大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 再生医工学 / 骨再生 / 生体アパタイト(BAp) / 微小領域X線回折法 / c軸配向性 / 骨質 / 骨密度 / ヤング率 |
Research Abstract |
本年度は、家兎尺骨欠損部に導入した20mm長の欠損部に、細胞増殖因子の1つである骨形成タンパクrβMP2を徐放し、骨再生を図った場合の再生骨に対して、ナノインデンテーション法を用いて、骨力学特性として最も重要であると考えられるヤング率を評価した。さらに、ヤング率と、前年度報告した、骨密度・生体アパタイト(BAp)配向性との相関関係についても解析し、両パラメータのヤング率に対する寄与について解明した。 長管骨再生過程では、まず骨密度が回復し、それに遅れて配向性回復が進行した(前年度実績報告書参照)。その結果として骨組織が発揮するヤング率は、再生にともない単調に増加したものの、骨密度が正常値レベルにまで回復していた12週後でも、60%程度までの上昇にとどまった。このことから、骨密度のみでは、骨力学機能を完全には記述できないことが示唆された。そのため、統計学的手法を用いて、ヤング率に対して骨密度、BAp配向性がどのように寄与しているのかを検討した。まず、再生期間ごとに相関関係について解析した結果、ヤング率が骨密度によって説明可能なのは再生のごく初期(4週)あみであり、それ以降(6,12,24週)、骨再生過程の大部分では、BAp配向性がヤング率を強く説明し得ることが理解された。さらに、重回帰分析の結果、ヤング率は骨密度と配向性とによって非常に高精度に記述可能であり、ヤング率に対する相対的寄与度合は、骨密度に比べてBAp配向性の方が顕著に大きいことが示された。このことから、BAp配向性が、骨力学機能を反映する極めて重要な骨質指標であることが示されたと同時に、骨再生において、骨組織の量的充填のみならず、BAp配向性をはじめとした骨質の再建を、再生初期より積極的に促進することが、力学機能の早期回復につながるものと期待される。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)