Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Research Abstract |
複断面蛇行河道における洪水流は,河道の洪水の流下能力や河床洗掘の発生に大きな影響を与えるため,その特性を解明することは河道設計において極めて重要である。しかし,現象の複雑さや影響因子の多さ,運動量や土砂輸送のモデル化に関する課題に起因する不明な点が数多く残されている。本研究は,実河川での現象を単純化した複断面蛇行水路の定常流、非定常流実験で得られている計測結果を対象として,2次元および3次元数値解析によって流れの構造や土砂輸送のメカニズムを明らかにすることを目的としている。 平成20年度では,高水敷の堤防形状が低水路の形状と平行でなく,両者の間に位相差が存在する実験ケースでの計測データに対して,2次元数値解析手法の改良を進めた。乱流エネルギーを偏微分方程式から求めるSmagorinskyモデルを導入し,有効な渦動粘性係数を表現した。基礎方程式中に空隙率を導入するとともに,移流項の離散化にCIP法を用いることによって,デカルト座標系での数値解析を可能とした。計算結果と実験結果にはまだ有意な差異かおり,数値解析手法に改良の余地かおるが,得られている主な結果は以下のようである。 ・相対水深の小さい流れでは,低水路と高水敷との境界付近で水位が極大や極小をとる現象が観測されるが,本手法はそのような現象を再現する。しかし,本手法は横断方向の水位差を過大に算出する傾向があり,渦動粘性係数モデルの検討が必要である。 ・相対水深が大きい流れでは,高水敷上に水位が周辺部よりも低下する領域が形成されるようになり,その下流側で逆流域が形成される。本手法はその現象を再現するが,やはり水深を過大評価する。 ・本手法を実用的なツールとするためには渦動粘性係数モデルのさらなる改良が必要である。一方,現象の解明のためには3次元数値解析が不可欠である。
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