水塊トレーサを利用したオホーツク海から親潮域への表層水輸送機構と物質輸送量の解明
Project/Area Number |
06J01162
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Meteorology/Physical oceanography/Hydrology
|
Research Institution | Fisheries Research Agency |
Principal Investigator |
小埜 幸子 (小熊 幸子) Fisheries Research Agency, 北海道区水産研究所・亜寒帯海洋環境部, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2006 – 2009
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
|
Budget Amount *help |
¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | 海洋物理 / 親潮域 / 水塊トレーサ / ^<13>C / ^<18>O / 根室水道 / オホーツク海 |
Research Abstract |
北海道南岸を流れる道東沿岸流の源水塊と沿岸流の有無の連動について、北海道立釧路水産試験場の定期観測データを用いて解析を行った。沿岸流の有無を水温・塩分の鉛直断面におけるコンターの形状で判断し分類した結果、沿岸流の見られる時と見られない時とで水質が重なった。つまり、道東沿岸流域の水塊特性は、流れの有無よりも季節で決まる傾向にあることが示唆された。第2年度目までに、安定同位体存在比δ^<13>C・δ^<18>O値をパラメータとして、親潮域における親潮水(東カムチャッカ海流水)・宗谷暖流水・東樺太海流水の混合比を算出し、オホーツク海から供給される表層水の流量を見積もったが、先の3水塊の混合比の季節変化による親潮域の水質変化が示唆されており、釧路水産試験場の水温・塩分データ解析結果はこれと矛盾しないと考えられた。 一方、オホーツク海・道東沿岸域の表層水に付加される河川起源の淡水は、表層水の輸送機構および物質輸送に影響を及ぼすと考えられる。今年度は、オホーツク海に流入するアニワ湾起源の表層水と、根室湾内の表層水を重点的に解析した。オホーツク海沿岸域に夏季・秋季のみ現れる高アルカリ度・低塩分を特徴とする表層水は、30m以浅と非常に浅い層に限られていた。この表層水の起源について、巡視船「そうや」・ロシア観測船クロモフ他観測データを用いて解析した結果、アニワ湾内に陸棚を中心に高アルカリ度の水が分布すること、河川等により低塩分化した表層水と混合し高アルカリ度・低塩分水が形成されることが分かった。また根室湾内の表層水は、δ^<13>C・δ^<18>O値を元に分類した結果、特に河口域近くの測点では河川水の水質変化を強く反映することが示され、水の起源として(1)湧水、(2)フミン酸を多く含む水、(3)融雪等の増水期の水に分けられた。栄養塩濃度比もその分類に対応していた。この水質変化に気温変化や降水の関与が示唆された。
|
Report
(3 results)
Research Products
(12 results)