透明・導電性バイオナノファイバー透明複合材料の開発
Project/Area Number |
06J02484
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
林産科学・木質工学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊福 伸介 Kyoto University, 生存圏研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | セルロース / 位置選択的誘導体化 / 原子移動ラジカル重合 / N-イソプロピルアクリルアミド / 下限臨界溶液温度 / グラフト重合 / ナノファイバー / ミクロフィブリル / アセチル化 / 複合材料 / 透明 |
Research Abstract |
本研究ではセルロースナノファイバーの化学修飾を行い、セルロース/樹脂透明複合材料の高機能化を目的としている。この目的には樹脂との相溶性を向上させるためにセルロース表面の改質が重要であり、また、セルロースの機能性を制御するには位置選択的誘導体化が必須となる。そこで、19年度は厳密に重合度の規制が可能となる原子移動ラジカル重合法(ATRP)を取り入れ、位置選択的にセルロース主鎖に対してアクリル側鎖を導入した新規誘導体の合成を目的に研究を開始した。まず、セルロースの6位水酸基に重合開始末端を高位置選択的に導入した誘導体の合成に成功した。次いでこの誘導体を用いてATRPを試みた。反応溶媒や触媒およびそれらの混合比等の検討を詳細に行ったところ、セルロース主鎖に対してポリN-イソプロピルアクリルアミド(NIPA)がグラフトされたシリンダー型の新規誘導体の調製に成功した。側鎖の重合度は重合条件によって3〜50まで制御可能であることを見出した。ATRP法によるセルロースの位置選択的グラフト重合は世界で初めての成果である。合成したセルロース誘導体はDSCやTGAなどの熱分析に供した。その結果、グラフト側鎖の伸長に伴って、誘導体のガラス転移点及び熱分解挙動はpolyNIPAと同様の熱的挙動を示す事を見出した。また、この誘導体はpolyNIPA特有の性質である、温度によって分子の親水性が変化する性質を示す事が見出された。DSC測定の結果、親水性から疎水性へと変化する下限臨界溶液温度はおよそ30℃であった。今後は本結果をナノファイバーへと適用し、高機能性透明・導電性ナノファイバーの開発を進める予定である。本成果は現在論文として投稿準備中である。「なお、本研究はセルロース化学において数多くの優れた研究を行っているカナダ、ブリテッシュコロンビア大学のJohn F.Kadla博士のもと研究を行った。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)