新規脂質トランスポーターを介した協調的なコレステロール・脂質輸送機構の解明
Project/Area Number |
06J02869
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied biochemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小林 綾 Kyoto University, 農学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | コレステロール / ABCトランスポーター / ABC protein / 脂質 |
Research Abstract |
これまでに、ABCG1がリン脂質の中でもスフィンゴミエリンを排出することを明らかにした。スフィンゴミエリンはコレステロールと親和性が高く、細胞膜上でラフトと呼ばれる領域を形成し、膜を介した情報伝達や物質輸送に重要な役割を果たすと考えられている。ABCG1がスフィンゴミエリンとコレステロールを排出することから、細胞膜のスフィンゴミエリン量の変化がABCG1によるコレステロール排出に与える影響を解析した。 セラミド輸送タンパク質であるCERTに変異があるため、スフィンゴミエリンのde novo合成に必要なセラミドを小胞体からゴルジ体に輸送できず細胞内のスフィンゴミエリン量が減少しているCHO-K1細胞の変異株LY-A細胞と、コントロール細胞としてLY-A細胞にCERTを戻したLY-A/CERT細胞を用いて、ABCG1による脂質排出活性を測定した。LY-A細胞では、ABCG1によるコレステロール、スフィンゴミエリン排出が減少することが分かった。一方、CERTを過剰発現させると細胞内スフィンゴミエリン量は増加し、ABCG1によるコレステロール、スフィンゴミエリン排出が増加した。細胞膜の総コレステロール量はCERTの変異による影響を受けなかったが、細胞膜のラフト以外の画分からコレステロールを引き抜くメチルβシクロデキストリンに対する感受性がLY-A細胞では高くなっていたことから、LY-A細胞ではラフトの崩壊により非ラフト領域のコレステロールが増加していることが示唆された。 以上の結果から、ABCG1による脂質排出は細胞内スフィンゴミエリン量と細胞膜のコレステロール分配によって調節される可能性が示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)