2006 Fiscal Year Annual Research Report
新規脂質トランスポーターを介した協調的なコレステロール・脂質輸送機構の解明
Project/Area Number |
06J02869
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小林 綾 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ABC protein / 脂質 |
Research Abstract |
ABCG1を安定発現したHEK293細胞を樹立し、ABCG1の細胞内局在と脂質排出能を解析した。ABCG1はホモ二量体を形成して細胞膜に局在することを明らかにした。ABCA1がapoA-Iに依存して脂質を排出するのに対し、ABCG1はアクセプターに対する特異性が低いことが分かった。ABCG1はATP結合・加水分解依存的に脂質排出することを明らかにした。またABCA1はコリンリン脂質のうちホスファチジルコリンを主に排出するのに対し、ABCG1はスフィンゴミエリンとホスファチジルコリンを排出することが分かった。以上の結果から、ABCG1はABCA1と協調してコレステロールとリン脂質を排出することで細胞の過剰な脂質の除去に関与することが示唆された。 以上の内容は、学会において発表し、また学術雑誌Journal of Lipid Reserch誌に投稿し、受理された。 ABCB4を安定発現したHEK293細胞を樹立し、ABCB4の脂質排出能を解析した。タウロコール酸存在下でABCB4はホスファチジルコリンとコレステロールを排出した。光散乱を測定したところ、タウロコール酸単量体がABCB4による脂質排出を促進することが示唆された。またABCB4によるリン脂質とコレステロール排出はグリココール酸、コール酸と比べてタウロコール酸によって最も強く促進された。ABCB4による排出にはATP結合・加水分解が必要であることが示唆された。以上の結果から、ABCB4が胆汁酸存在下でコレステロールとリン脂質を排出することで胆汁生成に重要な役割を果たすことが示唆された。 以上の内容は、共著論文として学術雑誌Hepatology誌に投稿し、受理された。
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Research Products
(3 results)