高分解能スペクトロメーターを用いたペンタクォークの探索と量子数の測定
Project/Area Number |
06J03217
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Condensed matter physics 1
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大樂 誠司 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2006 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ペンタクォーク / エキゾチック / ハドロン / QCD / エキゾチックバリオン / ハドロン物理学 |
Research Abstract |
2005年度に高エネルギー加速器研究機構(KEK)にて行われたペンタクォークΘ+探索実験についての解析、および論文作成に携わった。ペンタクォークΘ+は、少なくとも5個(u,u,d,d,sbar)のクォークからなるとされるエキゾチックバリオンである。SPring-8における実験で発見の報告がなされて以来、多くの実験的研究がなされてきたが、Θ+の存在の有無はいまだ決定されていない。また、Θ+の幅、構造に関しては、様々な研究があるもののわかっていない。現時点では、Θ+に関しては、存在の有無の確認、もし存在するならば、幅、構造が理解されるべき点である。本実験は、K+を液体水素標的に照射し、終状態のπ+を高分解能スペクトロメータSKSを用いて捉えることで、2.4MeV/c^2という非常に優れた質量分解能を得ることが可能であり、この特質を生かして既存の実験よりも高い精度で、Θ+の存在の有無の決定に迫ることが第一の目的である。解析の結果、Missing Mass分布においてΘ+に対応するような有意なピークは確認されなかった。この結果から、本実験の測定可能領域(実験室系の散乱角にして2度から22度)において、K+p→π+Θ+反応の微分断面積の上限値は3.5μb/strであると求めた。K+p→π+Θ+反応にはtチャネル過程とuチャネル過程の寄与が考えられるが、理論計算と本実験の結果を比較したところ、終状態のπ+が主に前方に生じるtチャネル過程の寄与は考えにくいという結論を得た。我々はこの結果を論文にまとめ投稿した。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)