Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
2005年度秋〜冬に施行された,統合国際深海掘削計画の310次航海(Tahiti Sea Level)に参加し,過去のサンゴ礁堆積物から掘削された造礁サンゴ化石の骨格試料を採取した.本研究課題の最も重要な目的の一つは,最終氷期最盛期以降(過去2万年間)に生息したサンゴ化石から古水温ならびに古塩分の時系列データを抽出し,南太平洋熱帯〜亜熱帯域における古海洋環境の変遷(様々なタイムスケールの気候変動現象)を復元することである.そこで,軟X線写真撮影による骨格年輪構造解析,粉末X線回折分析による鉱物組成の同定,走査型電子顕微鏡による骨格構造観察を行い,続成作用の影響を被っていない試料を選別した.そして,それらの炭素・酸素同位体組成ならびに金属元素濃度(Ca,Mg,Sr)の分析を行った.また,現地調査で採取したタヒチ島のサンゴ礁内の海水試料の化学組成分析を行った.サンゴの化学組成の時系列データは1サンプルあたり2週間〜3週間の高時間解像度であり,それらから復元された古水温と古塩分の時系列データには,明瞭な季節変化と数年スケールの変動が認められた.また,複数のサンゴ化石試料の化学分析と統計解析から,最終氷期最盛期以降の海水の温度と酸素同位体組成を復元し,太平洋低〜中緯度域の深海堆積物や極域の氷床コアから得られている古気候データと比較検討を行った.以上の研究成果を,国内(東北大学,名古屋大,高知大学)や海外(Bremen大学,CEREGE)の共同研究者と議論を交わすとともに,国内学会や国際学会で発表した.さらに,原著論文を執筆し,国際学術雑誌に論文を投稿した(Asami et al.,査読中).また,共同研究者と行った研究の成果を原著論文としてまとめ,国際学術雑誌に投稿した(2編,共著,査読中)
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