Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
ねじれた非平面多環芳香族化合物であるヘリセンに関する本研究課題の一環として,光学的に安定なラセン不斉を有するキラルナフタレン誘導体を合成して性質を調べることにした.安定なラセン不斉を有するキラルナフタレンの合成と光学分割はこれまで達成されていないため,その性質に興味を持つたからである.昨年度までに光学的に安定なキラルナフタレン誘導体である1,8-ジ(1-アダマンチル)-4,5-ジメトキシナフタレンの合成と光学分割に初めて成功した.また適切な条件を選択することで,収率よく3,6-ジブロモ化できることを示した.この際ラセミ化は見られない.本年度は更に誘導体化検討を進めて,cis-エテニル基でナフタレン部を連結したオリゴマーの合成を計画した. 上述のブロモ化反応によって得た光学活性(P)-1,8-ジ(1-アダマンチル)-3,6-ジブロモ-4,5-ジメトキシナフタレンをn-ブチルリチウム処理した後,N,N-ジメチルホルムアミドを作用させると3,6-ジホルミル体を収率よく与えた.ホルミル基をヒドロキシメチル基に還元後,生じた2つのヒドロキシル基のうち一方のシリル化,残ったもう一方のヒドロキシル基の酸化を経て,非対称ホルミルナフタレンに導いた.ヨウ化サマリウム(II)を作用させると還元的二量化反応がほぼ定量的に進行した.低温で反応を行うこと,およびテトラヒドロフラン-メタノール混合溶媒を用いることが収率向上に重要であった.得られた二量化生成物は1,2-ジオール部の立体化学に基づくジアステレオマー混合物であったが,IBX酸化,水素化ホウ素ナトリウム還元を経て単一のジアステレオッーに収率よく導いた.
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