Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本研究では,機能性流体として,磁場に応答する磁性流体とMR流体(以後両者をまとめてMAG流体と記す)を取り上げた。両流体の大きな違いは内部粒子の大きさに有り,磁性流体(内部粒子径:10nm程度)では印加磁場によってその流動特性が大きく変化するし,MR流体(内部粒子径:数mm)では磁場に敏感に応答して流動性が消失する。MAG流体に磁場を印加すると,内部の強磁性微粒子が凝集し,クラスターを形成する。この内部構造変化の解析がMAG流体の工学的応用において重要な課題の一つとなっている。そこで,本研究では機能性流体中の超音波伝播特性を詳細に計測した。そして,この応用として,計測結果を基にした,超音波による内部構造変化を非接触,非破壊で解析すること,機能性流体の流動計測などを目的とした。 磁性流体中の超音波伝播では,数種類のMAG流体について様々な磁場印加条件のもと音速変化,減衰率変化を計測した。その結果,音速や減衰率変化に,異方性,ヒステリシスなどの様々な伝播特性が得られた。これはクラスターの形成といった内部構造変化が大きく関係していると考えられる。この伝播特性はMR流体と磁性流体では大きく異なっており,流体の違いによる磁場への応答速度,クラスターの形状,形成過程の違いが超音波伝播特性から解析できた。超音波によるMAG流体の内部構造非接触解析では,機能性流体が不透明であることを考えると,超音波による解析は有効な手段の一つである。特に,磁場除去後の内部構造変化においては,可視化による研究では得られていない知見が得られた。 また,磁性流体の流動計測では超音波ドップラー効果を用いた超音波速度分布法(UVP)が有効だとされている。本研究の計測結果を基に,UVPを磁性流体管内振動流に適用した。結果,流動分布の詳細なデータを得ることが出来,流動場に与えるクラスターの影響が明らかとなった。
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