Project/Area Number |
06J06489
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐分 元 Nagoya University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 脱水型 / アリルエーテル合成 / ルテニウム / 2-キノリンカルボン酸 / π-アリル錯体 / 機構解明 / レドックス介在型ドナー・アクセプター二官能性触媒 / 脱水的アリルエーテル化 / RDACat |
Research Abstract |
非対称なエーテル化合物合成は、現在もなお、19世紀中ごろに確立された手法に基づいている。原子効率は低く、廃棄物量も多い。環境問題が顕在化する中で、アルコールからの脱水型エーテル合成が理想であることは言うまでもない。この現状を鑑み、ROH+R'OH→ROR'+H_2Oの触媒化に挑戦した。交差性を高めるため一方のアルコールをアリルアルコールとし、無溶媒で触媒以外の添加剤を一切加えることなくアリルエーテルを脱水的に合成する新しい方法論の開拓を目的とした。当研究グループで開発されたアリルエーテル結合切断触媒に注目し、その機構的考察から逆反応化の可能性を引き出した。その結果、カチオン性CpRu/2-キノリンカルボン酸触媒を0.0005モル量用いて、アルコールとアリルアルコールを1:1に混合するだけで最高97%の収率で対応するアリルエーテルに変換できることを見いだした。基質一般性、化学選択性も高い。Eファクタ、原子効率、操作性のいずれの観点からも従来法を優る。 本触媒の反応機構に関し、各種分光光学実験、理論計算を用いて検証した。本反応がπ-アリル機構で進行し、Ru(IV)-π-アリル種が休止状態にあることを明確に示した。アリル基へのアルコール基質の求核攻撃毅階にエネルギー障壁がある。発生するRu(II)はアリルアルコールと直ちに酸化的付加反応して脱水的にRu(IV)-π-アリル種を再生する。2-キノリンカルボン酸のσ供与性sp^2窒素原子とモノアニオン性Cp基が中心金属へ配位することによりRu(II)の求核性が向上し、カルボン酸のプロトンがアリルアルコールのヒドキシ基酸素原子と水素結合ネットワークを形成することにより求電子性が向上する。この相乗効果がπ-アリル錯体形成の根幹にあり、「レドックス介在型ドナー・アクセプター二官能性触媒」概念の正当性を実証することができた。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)