Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
これまでにミトコンドリアの分裂制御においてダイナミン様蛋白質Dnm1の細胞周期特異的な局在と、新奇な分裂蛋白質Mda1の特異的発現とリン酸化という中心的なメカニズムを解明することができた。本年度はさらに根本的なオルガネラ構築原理に迫るためにこれまでの細胞生物学的な解析に加えて新たに合成生物学的なアプローチを導入することを試みた。合成生物学は米国を中心に近年台頭しつつある新しい学問分野であり、生命システムの構築を試みる過程のなかでこれまでの理解の検証と新たな知見の獲得を目指す次世代の生物学分野である。その手法と概念を取り入れるため本年度はその大半を米国Harvard大学医学部のPamela Silver教授の研究室での長期滞在に充てた。オルガネラの構築原理の完全な理解とはそのオルガネラを人工的に再構築でき、また自由に設計できるということによって証明される。実際に行った実験は真核生物で最も理解が進んでおりかつ遺伝子操作が容易な出芽酵母の系を用い、オルガネラとして最も単純で出芽酵母の生存に必須ではないペルオキシソームをターゲットとした。オルガネラ構築の最初のステップはタンパク質の局在であるからペルオキシソーム蛋白質の局在についてすでに存在が知られている局在化シグナルPTS1,PTS2,mPTSについて各種蛍光蛋白質にようて解析した。その結果PTS2はPTS1に比べて発現量や生育条件に依存して不安定であること、膜蛋白質はmPTSによってのみ局在するが膜貫通領域の配置により効率が大きく変わることが分かった。これらの結果から安定したオルガネラ局在シグナルの構築が可能になりオルガネラ再構築への足掛かりが得られると考えている。
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