Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
フォトトロピンは植物の青色光受容体である。発色団としてFMNを結合した光受容ドメインを2つ(LOV1、LOV2ドメイン)とセリン・スレオニンキナーゼドメインからなる。フォトトロピンは青色光依存的にキナーゼ活性を発現するが、キナーゼドメインの制御にはLOV2の光反応が重要であり、LOV1は直接関与していないことが報告されている。近年、LOV2ドメインのすぐC末端側にαヘリックス(Jαヘリックス)が存在し、このJαヘリックスの構造変化(光照射時にαヘリックス構造が緩む)ことがキナーゼ活性の発現に重要であることが報告された。本研究において、LOVドメインとJαヘリックスの構造変化に着目し、Jαヘリックスを含むLOV2ドメイン(LOV2-Jα)とJαヘリックスを含まないLOV2ドメイン(LOV2 core)の構造変化を比較した。植物体でのリン酸化反応が報告されているシロイヌナズナのフォトトロピン1のLOV2ドメインを試料に、活性化状態と暗状態の低温フーリエ変換赤外(FTIR)分光法による測定を行った。その結果、Jαヘリックスは260K以上の温度で構造変化を起こすことが分かった。また、そのペプチド骨格のC=O伸縮振動は暗状態で1650cm^<-1>活性化状態では1625cm^<-1>に現れ、それぞれ文献的にはαヘリックス(1650cm^<-1>)、βシートかランダムコイル構造(1625cm^<-1>)に相当するものであった。この様に、Jαヘリックスは光照射後に、温度依存的にその構造を変化させることが示された。さらに、LOV core側の変異体(Q575L、F556L)ではこのαヘリックスに由来する構造変化を示さなくなり、Gln575、Phe556がJαヘリックスヘシグナルを伝達するアミノ酸残基であることが明らかとなった。
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http://www.ach.nitech.ac.jp/~physchem/kandori/index_j.html