カイラルシグマ模型を用いた原子核に対する原子核構造と真空の効果の研究
Project/Area Number |
06J09058
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Particle/Nuclear/Cosmic ray/Astro physics
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
為永 節雄 Osaka University, 核物理研究センター, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 繰り込み理論 / カイラル対称性 / 線形シグマ模型 / 原子核構造 / 有限温度 / 非摂動論 |
Research Abstract |
私は研究題目にあるように「カイラル対称性」と「真空(繰り込み)の寄与」がどのように原子核物理に影響を与えられるのかを研究してきた。前年度は「カイラル対称性」と「繰り込みの寄与」が満たされた理論を構築した。そして今年度はそれぞれがどのように原子核物理に応用できるのかを議論した。 カイラル対称性の申し子であるパイ中間子が原子核構造にどのように重要であるのかがわかった。特に軽い原子核(ヘリウム・炭素・酸素)においてパイ中間子がもたらす特有の高い軌道角運動量が原子核構造に重要な寄与があることがわかった。理研で実験されるRIBFビームを用いた不安定核実験に対してもパイ中間子の寄与は重要な寄与のひとつである。一方で繰り込みの寄与は従来の相対論的平均場理論と比べて大きな有効質量をもたらすので、励起状態におけるさまざまな巨大共鳴に対しても有効な寄与であることがわかった。この両者を取り入れた理論を構築する必要がある。さらに繰り込み理論は小さなスピン軌道力を持っている。その特徴を活かしてJ-PARCにおけるハイパー核実験にも適応できる議論を行っている。 また中性子星の内部では高温・高密度状態であることが知られている。そこで、我々の模型を用いて高温状態の振る舞いを議論した。現象論的な模型である線形シグマ模型と同様の結果が得られただけではなく、初めてフェルミオンである核子の寄与を取り入れた議論ができた。 最近では、原子核構造だけではなく皮応理論におけるカイラル対称性と繰り込み理論を応用している。その取り組みから得られた知識を持って、原子核構造に立ち返ることで新たな知見や認識がふくらむであろう。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)