Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
平成20年度は,成長因子IGF-Iと脳内GnRH系の相互作用に着目し,IGF研究の第一人者であるCunming Duan教授の研究室でゼブラフィッシュを用いた研究を進めた.また,これまでにシロザケで得た研究成果を順次公開した. 1.ゼブラフィッシュでは受精後約24時間でGnRHの発現細胞が出現する.IGF-Iの役割を調べるため,細胞内シグナルドメインを欠損したIGF-I受容体を強制発現させIGF-Iシグナルを阻害したところ,GnRHの発現細胞の出現が6時間以上遅延することが分かった.現在は,GnRHニューロンが視床下部へと移動する時期のIGF-Iの役割を調べている. 2.GnRH分泌の制御因子KiSSの受容体GPR54に注目し,ゼブラフィッシュとマウスの脳からcDNAクローニングを行なった.ゼブラフィッシュから6種類,マウスから2種類のバリアントを単離した.これらは選択的スプライシングにより産生され,膜貫通ドメインの一部を欠損したGPR54をコードすると考えられる.現在,培養細胞を用いた機能解析を進めている. 3.シロザケがベーリング海から産卵回遊を開始するのに先立ち,下垂体-生殖腺系(PG系)の活動が高まること(J.Exp.Biol誌),またIGF-Iの血中量が高まること(Ann.NY.Acad.Sci.誌)を報告した. 2月のアラスカ湾のシロザケでは,6-7月のベーリング海の個体より,前脳のほぼ全ての部域でGnRH mRNA量が高かった.すなわち,ベーリング海から産卵回遊を開始する数ヶ月前にGnRHの遺伝子発現が高まることを示した(北米神経科学学会で発表,投稿準備中). さらに成長・摂食および生殖に関わるホルモン,グレリンの遺伝子発現を調べた.シロザケでは母川の遡上時にGnRH遺伝子の発現量が高まるが,対応して脳内でグレリンのmRNA量が変動することが分かった(未発表,投稿準備中).
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