高次誘導ラマン散乱による極限の紫外超短パルス光の発生
Project/Area Number |
06J09678
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied optics/Quantum optical engineering
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
貴田 祐一郎 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2006 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 超短パルスレーザー / 非線形光学 / 紫外超短パルス光発生 / 回転誘導ラマン散乱 |
Research Abstract |
本年度は前年度の研究で得られた紫外広帯域光に対してデフォーマブルミラーを用いた高次のスペクトル位相分散補償を施すことで8フェムト秒以下の紫外超短パルス光を発生させることを予定していた。しかしながらデフォーマブルミラーの納品が本年度の研究期間内に間に合わず、実験を行うことはできなかった。そこで研究目的を(A)二色のレーザー光をポンプパルスとして用いることで3フェムト秒の紫外超短パルス光を発生可能な広帯域光源を得ること、並びに、(B)時間依存偏光変動パルスを用いたコヒーレント分子回転誘起機構の解明に関する研究へと修正し、研究を行った。 (A)では誘導ラマン散乱を利用して二色のレーザー光を発生させた。これをポンプパルスとして用い、水素分子のコヒーレントな回転を誘起し、誘起されたコヒーレントな回転を利用して紫外広帯域光を発生させた。二色のレーザーパルスを用いた場合、一色のレーザー光を用いた場合よりもスペクトル幅が大幅に拡大された紫外光が得られることが実験において確認され、この手法が紫外広帯域光源を発生させるための有力な手段であることが実証された。 (B)では時間依存偏光変動パルスをポンプパルスとして用い、水素分子のコヒーレント回転を誘起させた。この場合、これまで報告されているいずれの機構とも異なる特殊な機構で水素分子のコヒーレントな回転が誘起されることが明らかとなった。また、この場合のコヒーレント分子回転誘起効率は同じパルス幅を持つ円偏光、楕円偏光、直線偏光のいずれのポンプパルスを用いた場合よりも高いことが実験において確認された。これらの知見は時間依存偏光変動パルスが分子運動を制御するのに使用できる可能性を示しており、非線形光学上、意義が大きい。以上の研究により高次誘導ラマン散乱を利用した紫外超短パルス光の発生に関する重要な知見と成果が得られた。
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Report
(3 results)
Research Products
(13 results)