Project/Area Number |
06J09777
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
下川 倫子 Kyushu University, 大学院・総合理工学研究院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2006 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2008: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2007: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 粉体 / 揺らぎ / フラクタル / 粉体の偏析現象 / Jamming Transition / なだれ / 安息角 |
Research Abstract |
本年度は研究課題のキーワードにある「粉体の揺らぎ」に焦点を当て、実験を行った。粉体は粉、粒はもちろん、コロイド、磁性流体もその対象である。1、2年目は粉体の代表例であるガラスビーズ、砂糖を使った実験を行った。本年度は特殊な粉体であるコロイド溶液を用い、重力不安定な条件の下、発生する揺らぎが作る構造について調べた。その結果、コーヒーが牛乳界面に作る新しいフラクタルパターンを発見した。コロイド溶液として、身近にある密度の大きいコーヒーと密度の小さい牛乳を用いた。実験方法は、円形容器に牛乳を入れ、放置した後、静止した牛乳表面の中央に0.2mlのコーヒーの滴を静かに置くというものである。初期条件で軽い牛乳の上に重いコーヒーを載せているので、初期的に重力不安定な状態を作っている。そのため、牛乳とコーヒー滴の界面で揺らぎが発生する。実験から得られた主な結果は以下の2つである。 (1)コーヒー滴を牛乳界面に置くと、滴は表面に沿って拡がり、約70秒後、表面パターンが観察された。画像処理で画像を2値化し、密度相関関数法とボックスカウント法を用いてフラクタル解析を行った結果、べき乗則に従うフラクタルパターンと判明した。フラクタル次元はコーヒー密度に依存せず、表面パターンが消滅する約400秒後まで、一定値1.88±0.06を示した。磁性流体の滴を用いて同様の実験を行い、コーヒーのパターンと一致するフラクタル次元1.88±0.04を得た。 (2)コーヒーのフラクタルパターンは、密度の大きい表面のコーヒーが鉛直方向に沈み、埋めつくされた空間から面要素がぬけることで形成される。そのため、無限時間の極限でパターン面積は0に収束する。この消滅的性質は数学モデルのシェルピンスキーカーペットと共通している。このモデルの面積が指数関数的に減少することにヒントを得て、コーヒーパターンの輝度を測定し、パターン密度の時間変化を求めた。パターン密度は指数関数的に減少し、その時定数は70秒であり、前に述べたフラクタル解析が可能となる約70秒と一致した。
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