Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
胚発生後の植物の形態形成では,地上部はシュート頂,地下部は根端に存在するメリステムに依存した器官形成が行われる.シロイヌナズナではシュート頂,花序,花のメリステムの維持制御にCLAVATA(CLV)シグナル伝達経路が重要な役割を果たすことが知られている.私たちは,これまで,イネのメリステムの維持制御に関わる2つのFLORAL ORGAN NUMBER遺伝子(FON1,FON2)の解析を行ってきた.その結果,FON1はCLV1様のレセプターカイネースをコードしていること,FON2はCLEドメインをもつCLV3様のペプチド性シグナル分子をコードしていることを明らかにし,イネにおいても,CLVシグナル伝達経路が基本的には保存されていることを示してきた.その一方で,研究過程でイネに独自の制御系が存在していることも示唆された.今年度はFON2とFON2に類似したCLEタンパクであるFON2-LIKE CLE PROTE工N1(FCP1)の機能解析を行った.その結果,FON2は主に花メリステムの維持制御に関わるのに対して,FCP1はシュート頂と根端のメリステムの維持制御に関わることが明らかとなった.このように,イネでは異なる遺伝的経路の組み合わせによりメリステムが維持制御されていることが示された.また,FCP1の作用には,FON1は必要ないことも判明し,FCP1は独自のレセプターを必要とすることが示唆された.さらに,FCP1とFON2の作用の違いを決定する重要なアミノ酸を同定することに成功した.さらに,今年度はfon2変異のサプレッサーとして単離したFON2 SPARE(FOS2)遺伝子の機能解析も行った.その結果,FOS2はシュート頂,花,根端のメリステムの維持制御に関わることが明らかとなった.また,遺伝学的,生化学的な解析の結果,インディカのFOS2は機能型であるのに対して,ジャポニカのFOS2は変異型であることが示された.このFOS2の解析によって,栽培イネにおいてもメリステムの維持制御の遺伝的機構は多様化していることが示唆された.
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