Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2008: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2007: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2006: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Research Abstract |
本年度は,博士課程の3年目であるが,前年度に引き続き順調に研究を進めることができた. 本研究の主題である「普遍主義」がより現実的に要請されるのが,国際経済犯罪分野である.国際経済犯罪は,テロ犯罪と密接に関連しており,金融市場の適正化を図る上でもその規制が必要不可欠である.言い換えれば,実務上の要請が非常に強い分野である.しかし他方で十分な研究の蓄積はないという状況にある.そこで,今年度は博士論文の主題として,国際経済犯罪が国際刑事法の基調をなしてきた属地主義にいかなる影響を与えるかという観点から,博士論文の執筆に専念した.特に,資料収集,論文執筆,先端の研究をなしている研究者へのインタビューをかねて,昨年の夏にはドイツのマックスプランク外国法・国際法研究所に2ヶ月滞在した.同研究所は,国際法と外国法(特に,国際経済犯罪について最も緊密な規制をなしているEUの諸規範)について,膨大な蔵書と資料を有していることで著名であるし,また国際法とEU法を専門にする若手研究者が世界各国から集まっていることでも知られている.そこに2ヶ月滞在することで,日本では入手が困難な著作についても容易にアクセスして論文に取り込むことができたし,EU法などについて専門家の意見を聞くこともできた.アウトプットの面では,博士論文という大きな作品に専念したため,短い論文を書く余裕はなかったが,それでも平成19年に民事判例について研究会報告をした成果を公刊することができた.
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