軽元素の宇宙論的起源の考察と超対称性理論・再加熱温度への制限
Project/Area Number |
06J11384
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Particle/Nuclear/Cosmic ray/Astro physics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
日下部 元彦 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2006 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 軽元素 / 天体核物理 / 素粒子 / 宇宙論 / 超対称性理論 / 元素合成 / 初期宇宙 |
Research Abstract |
宇宙背景放射の観測から推測されるバリオン数-光子数比に対して標準ビッグバン元素合成理論が予言するリチウム同位体の存在度が、昔にできたと考えられる低金属量の星で観測される存在度と一致しないという問題がある。このリチウム組成の問題は、宇宙初期のビッグバン元素合成の時代に、標準的ではない、物理的に興味深い過程が起こった痕跡である可能性を示唆する。この可能性を評価する研究として平成20年度は以下の研究を行った。 1.宇宙初期に未知の粒子が放射性崩壊を起こしたとすると、生成される高エネルギー光子が4Heを光分解し、生成された質量数3の原子核(3Hと3He)が再び4Heと反応して6Liを合成する。この過程がビッグバン元素合成の6Liの問題の原因である可能性は我々が既に詳しく研究した。この放射性崩壊がビッグバン元素合成に与える影響を計算する際に、4Heの光分解反応の断面積が必要である。この反応について最近のレーザーコンプトン散乱光を用いた新しい手法による実験データが得られているため、そのデータを用い、光分解反応断面積の不定性が元素合成の結果に与える影響を研究し、論文を投稿した。 2.標準模型を超える素粒子模型の中には比較的長寿命で色を持つ重い粒子が存在する。宇宙初期にこのような色を持つ粒子がリチウムを含む軽元素の存在度に影響を与えた可能性を評価し、また、色を持つ粒子の存在度と崩壊寿命に天文観測からの制限を与える目的で、色を持つ重い粒子が存在する状況でのビッグバン元素合成の計算を行った。その結果、色を持つ重い粒子の存在がリチウム組成の問題の原因である可能性は導かれなかったが、そのような粒子の存在度に新しい、非常に強い制限を与えた。
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Report
(3 results)
Research Products
(25 results)