Epstein-Barrウイルス蛋白質によるp53の不活化機構の解析
Project/Area Number |
07J00030
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Virology
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐藤 好隆 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2007 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | Epstein-Barr virus / p53 / BZLF1 protein / 溶解感染 / degradation / ATM-DNA damage response / phosphorylation / 分解 |
Research Abstract |
ウイルスは宿主の細胞内環境を自身の増殖に有利に整えるため、p53シグナル経路を調節しているバーキットリンパ腫、上咽頭がん、T細胞白血病、胃がん等との関連が指摘されているヒトがんウイルスEpstein-Barr virus(EBV)も、ウイルス産生のために溶解感染に移行すると宿主DNA損傷チェックポイントシグナルが活性化され、p53はリン酸化されるにもかかわらず、p53の下流にこのシグナルは伝達されないことから、EBV溶解感染期において活性化されたp53を不活化する機構の存在が示唆されてきた。 本研究により、潜伏感染期ではp53がMDM2により量的に制御されるのに対し、溶解感染を誘導するとp53はMDM2非依存的にユビキチン-プロテアソーム系で分解されることを明らかにした。EBV前初期遺伝子産物BZLF1蛋白質がECS(E__-longin B/C-C__-ul2/5-S__-OCS-box protein)ユビキチンE3リガーゼ複合体のアダプター蛋白質として機能し、このp53の分解に関与していることが解った。EBV溶解感染細胞において、p53を強制発現させるといくつかのウイルス遺伝子の発現やウイルスゲノム複製が抑制され、ウイルス増殖におけるp53の不活性化の重要性が確認された。さらに、宿主DNA損傷チェックポイントの活性化に伴うp53のC末のリン酸化が、BZLF1蛋白質との結合を増強した。 BZLF1-ECS複合体を精製し試験管内ユビキチン化反応を行うと、リン酸化ミミック変異体p53のほうが野生型に比べ、よりユビキチン化され、このユビキチン化反応は基質のリン酸化により制御されていることが示唆された。 以上の結果より、EBV溶解感染期でのリン酸化されたp53の制御におけるBZLF1 protein-associated ECS E3リガーゼ複合体の役割が明らかとなった。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)