サルモネラ菌べん毛モータータンパクMotAB複合体によるプロトン透過機構の解明
Project/Area Number |
07J00553
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biophysics
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
蔡 栄淑 Osaka University, 大学院・生命機能研究科, 特別研究(PD)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 生物物理 / 分子モーター / べん毛 / エネルギー変換 / ナノマシン / ナノバイオ / 1分子計測 |
Research Abstract |
サルモネラ菌べん毛モーターは、細胞膜を横切るプロトン駆動力をエネルギー源として利用することにより回転し、そのプロトンは固定子であるMotA/MotB膜蛋白質複合体が形成するチャネルを透過する。本研究では、プロトン結合部位であるmotB(D33E)変異体とその偽復帰変異体のモーターのトルク特性を詳細に解析することで、プロトンの結合解離とトルク発生がどのように共役しているのか、その仕組みを明らかにすることを目指した。 H19年度には、motB(D33E)変異体から運動能が復帰する偽復帰変異体を5つ単離し、ビーズ解析法を用いて、motB(D33E)変異体と単離した偽復帰変異体のモーターの発生するトルクと回転速度の関係を計測した。本年度は引き続きビーズ解析法を用い、ビーズのサイズや溶液の粘度を変えることで、さらに高負荷や低負荷領域においても計測を行った。その結果、MotB(D33E)変異型モーターの発生するトルクは野生型モーターの約半分であった。また、負荷が小さくなり回転速度が増加するのに伴って、野生型モーターの発生トルクはほぼ一定であったが、変異型モーターの発生するトルクは急激に減少した。単離した5つの偽復帰変異体に関してもビーズ計測を行った結果、motB(D33E)変異体と比較して、高負荷領域で発生するトルクだけが、いずれも野生型レベルまで回復していたことが分かった。高負荷条件ではモーターは低速で回転するため、回転に必要なプロトンの透過速度は律速ならず、トルクを発生するための構造変化速度が律速になる。したがって、単離した偽復帰変異体の変異箇所はトルク発生にかかわるアミノ酸であることが明らかになった。 今後はサプレッサー変異のみを持つ変異体を作成したので、これらについてもビーズ法により計測を行う予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)