Project/Area Number |
07J01546
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Area studies
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤波 伸嘉 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | オズマン帝国 / 立憲主義 / 国民形成 / ナショナリズム / 政治文化 / オスマン帝国 |
Research Abstract |
本年度前半には基本的にはトルコ留学期間中に収集した史料、特に定期刊行物の読み込みに専念し、それに伴ろて浮かび上がった論点の整理、それを受けて今後発表すべき論文の執筆などを行なった。年度後半にはこの作業を継続しつつ、以下の活動を行なった。 11月にはアメリカ合衆国ワシントンDCで開催された第42回北米中東学会年次大会に参加し、"The Patriarchal Crisis of 1910 and the Political Structure of Ottoman-Greeks"と題する報告を行なった。これはオスマン帝国のギリシア人正教徒共同体内部の政治構造についての分析を主な内容としており、研究の進展の遅れている第二次立憲政期政治史研究、とりわけ非ムスリム政治勢力のその中での役割に関する研究動向に一石を投ずるものであった。 3月には二週間にわたりトルコ共和国に赴き、イスタンブルのアタテュルク図書館及びイスラーム研究センター(ISAM)、並びにアンカラのトルコ歴史協会附属図書館で調査を行なった。これらの図書館にはオスマン帝国末期からトルコ共和国初期にかけての刊本や定期刊行物の豊富なコレクションがあり、今後の研究のため非常に有益な史料を収集することができた。 また『東洋学報』に「批評と紹介:ディミトリオス・スタマトプロス著『改革と世俗化:19世紀の世界総主教座の歴史の再解釈に向けて』」と題する書評論文を掲載した。同書は、オスマン帝国末期のイスタンブルに所在した世界総主教座をめぐる政治史・政治思想史の研究として極めて高水準の研究であるにも拘らず、ギリシア語で書かれているという事情からか、これまで日本のオスマン史研究者はもとより、トルコ語・英語を主要使用言語とする海外のオスマン史研究者にも余り知られていなかった。その意味で、今回私が日本の学界に同書を紹介したことは、今後のオスマン史研究の深化に貢献するものであると共に、キリスト教学や近年盛んな「世俗化」研究に対しても一石を投ずるものであると信ずる。 以上に加え、これまでに収集した史料の読解を経て、いくつかの論文を執筆し、国内外の学術誌に投稿した。
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