弱サブクール状態の超流動ヘリウムに現れる異常に高い熱伝達率を持つ膜沸騰現象の解明
Project/Area Number |
07J02649
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Aerospace engineering
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高田 卓 University of Tsukuba, 大学院・システム情報工学研究科, 助教
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Project Period (FY) |
2007 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2009: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 超流動 / 膜沸騰 / 可視化 / 過熱 / 超流動ヘリウム / 不安定性 |
Research Abstract |
主に、狭隘流路内における超流動ヘリウム(He II)における圧力依存性について、実験的研究を行いながら、非常に近い他の研究グループの実験データを用いてこれらとの比較をする事で、さらに理解を深めた。この結果、狭隘流路内における超流動ヘリウム中の沸騰形態は大きく2つの領域に区分する事ができることがわかった。比較的熱流束の低い未発達な膜沸騰状態では、λ圧力近傍でもやや高い圧力では特徴的な気泡の生成消滅が現れるが、λ圧力以上とλ圧力未満では大きな差があることがわかった。λ圧力以上では、気泡のすぐ外側にはHe I相の層があり飽和蒸気圧曲線上の気液界面で状態が変化する。しかしながらλ圧力未満では、気泡のすぐ外側には過熱He I相という準安定相が広がっており、気泡が成長した後、消滅になる場合準安定相が崩壊しており、飽和蒸気圧曲線上の状態になり気泡が収縮していく。そのため、λ圧力未満でのみ、λ線を往来するサイクルとなる為、λ線比熱異常が非常に高い熱伝達に使われる事となる。この結果λ圧力において、沸騰熱伝達率はジャンプが起き、λ圧力を超えると熱伝達率は大きく下ってしまう。しかし一方で、比較的高い熱流束においてはHe II膜沸騰は、狭隘流路中であっても開放空間におけるHe II膜沸騰の圧力依存性と同様に、各沸騰モードの特徴的な圧力依存性は変わらない。沸騰モードマップは狭隘流路にする事で安定沸騰モードが拡大し、開放空間で異常に高い熱伝達率を示した弱サブクール膜沸騰とノイジー膜沸騰の境界圧力は10kPa程度であったものが、λ圧力(5kPa)であるため、狭隘空間における熱伝達率のピークはλ圧力となる。このように未発達な領域と発達した領域の両者で圧力依存性は異なるものの、λ圧力が最も熱伝達の良い領域であることが結論できる。
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Report
(3 results)
Research Products
(12 results)