管状要素分化を基盤とした陸上高等植物における形態形成制御機構の統合的解析
Project/Area Number |
07J02718
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
植物生理・分子
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小田 祥久 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2007 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 細胞分化 / 転写因子 / 細胞壁 / 細胞骨格 / 微小管 / 管状要素 / 木部 / 形態形成 / 維管束 |
Research Abstract |
管状要素は、道管液の輸送および個体の機械的支持を担う、陸上高等植物の形態形成において重要な細胞のひとつである。本研究では、シロイヌナズナ培養細胞を用いた管状要素の新規分化誘導系の開発と、管状要素分化という現象の分子レベルでの解明、さらに管状要素分化を中心とした維管束植物の形態形成の統合的な理解を試みた。初年度においては、シロイヌナズナ培養細胞を用いた新規管状要素分化誘導系の開発し、2年目においては管状要素分化に関わる新規の微小管結管タンパク質MIDD1を見出すことに成功した。3年度目にあたる本年度においては、このMIDD1の機能解析を行うことによって、管状要素分化の分子機構の解明を目指した。まず、MIDD1の細胞内局在を調べた結果、細胞表層において微小管と局所的に共局在した。MIDD1が局在した領域では微小管の密度が低下し、壁孔が形成された。MIDD1の発現をRNAi法によって抑制した結果、このような微小管の消失と壁孔の形成が阻害された。MIDDlの動態を詳しく調べた結果、MIDD1は微小管のプラス端に顕著に局在したことから、MIDD1は微小管の動態を制御している可能性が考えられた。MIDD1を過剰に発現させた細胞で微小管の動態を調べた結果、微小管の脱重合が促進され、微小管の密度が低下していた。MIDD1のドメイン解析を行った結果、MIDD1は2つのcoiled-coilドメインをもち、片方が微小管に結合し、もう片方が細胞膜にアンカーされることが判明した。これらの結果はMIDD1が細胞膜の一部にアンカーされることによって、局所的に微小管に結合し、その微小管の脱重合を促進することによって管状要素の壁孔を形成していることを示している。シロイヌナズナ個体においてMIDD1は管状要素のほか、様々な細胞において発現していたことから、MIDD1による局所的な微小管の脱重合が、陸上高等植物の形態形成において重要な役割を果たしている可能性が示された。
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)