血管内皮細胞と炎症性細胞との液性因子を介した相互作用による免疫応答制御機構の解析
Project/Area Number |
07J03219
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Cell biology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山内 俊平 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2007 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2009: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 肝臓 / 免疫寛容 / 血管内皮細胞 |
Research Abstract |
本研究は肝臓における免疫寛容を誘導するメカニズムとして、肝臓の毛細血管内皮細胞である肝類洞内皮細胞と、免疫担当細胞との相互作用が重要であると考え、その分子メカニズムを明らかとする事を目的とする。本研究の結果、内皮細胞が分泌する抗炎症性液性因子の作用細胞はT細胞や樹状細胞ではなく、マクロファージであることが明らかとなった。この事は、肝臓においては内皮細胞との相互作用によって、マクロファージの免疫応答活性が恒常的に抑制されている事、また肝臓においてマクロファージの活性抑制が肝免疫寛容の誘導に重要である事を示唆している。肝臓にはクッパー細胞と呼ばれる肝常在性マクロファージが多数存在しており、クッパー細胞の免疫応答活性は他の臓器由来のマクロファージよりも弱い事が先攻研究から明らかとなっているが、その分子機構は不明である。本研究結果から、クッパー細胞の性質獲得には内皮細胞との相互作用が重要であり、また肝免疫寛容の誘導に重要である事が示唆された。次に、類洞内皮細胞由来細胞株の培養上清を大量に調整し、アセトン沈殿およびイオン交換カラムを用いて粗精製を行った後、さらにFPLCイオン交換カラムを用いて精製を行った。その結果、抗炎症作用を強く示す分画を3つ見いだした。この事は類洞内皮細胞が少なくとも3種類以上の抗炎症性因子を分泌しており、内皮細胞が複数の因子を介して肝臓の免疫応答を抑制している、つまり肝免疫寛容の誘導に重要な役割を果たしている事が明らかとなった。また複数の因子を介している事は、生体内において冗長性を持つ事を示唆している。現在これらの因子を同定すべくスケールアップするとともに、イオン交換カラムにて分離した3つの分画をさらにゲル濾過カラムを用いて精製する事を試みている。まだ抗炎症性因子の同定に至ってないが、失活せず順調に精製が進んでいると考えている。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)