スピン1/2三角格子を有する銀ニッケル酸化物の磁性と伝導
Project/Area Number |
07J04134
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biophysics/Chemical physics
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉田 紘行 The University of Tokyo, 新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2007 – 2008
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 三角格子 / カゴメ格子 / カイラリティ / スピン液体 / Ag_2NiO_2 / Ag_2MnO_2 / Cu_3V_2O_7(OH)_2・2H_2O / 幾何学的フラストレーション / 軌道秩序 |
Research Abstract |
1,これまで三角格子反強磁性体のモデル物質であるAg_2NiO_2に興味を持って研究を行ってきた.Ag_2NiO_2で磁性を担う遷移金属イオンはNiである.Niを他の遷移金属イオンに置換して物性を調べる事はNiとの比較w行う上で非常に重要である.そこで本年度は,NiをMnで完全に置換した試料Ag_2MnO_2の合成を試み,それに成功した.本物質は量子スピンフラストレート系の候補物質であるAg_2NiO_2に対して古典スピンフラストレート系の候補物質であり,本研究ではこれまで理論で予想されていたスピンに付随した自由度であるカイラリティが秩序化するカイラリティ転移を発見した.本結果は実験的にカイラリティの秩序化を初めて観測した例であり,フラストレート磁性体の研究において一つの道標となるべき成果である. 2,フラストレーションが磁性体の基底状態に及ぼす影響を調べるために,三角格子以外の格子を有する磁性体の開発を行った.本研究では新たに鉱物名volborthiteとして知られる,Cu_3V_2O_7(OH)_2・2H_2Oを合成した.Volborthiteはフラストレーションを有するカゴメ格子を形成しており,基底状態ではスピン液体が実現すると予想されている.本研究における物性測定の結果から,volborthiteは60mKまで長距離秩序を示さず,基底状態でスピン液体が実現している事が明らかとなった.この結果は理論で予言されていた現象が実際に実現する事を示したという点で非常に重要である.
|
Report
(2 results)
Research Products
(18 results)