地球・土星内部磁気圏の高エネルギー粒子加速・消失過程の解明
Project/Area Number |
07J04693
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Space and upper atmospheric physics
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田所 裕康 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2007 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2009: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 高エネルギー粒子の加速・消失過程 / 放射線帯 / 土星内部磁気圏 / 中性粒子密度分布 / Cassini探査機 / 電荷交換反応 / 拡散方程式 / Enceladus / イオン化反応 / クーロン衝突 / Cassini衛星 |
Research Abstract |
地球放射線帯内帯の研究を通じて得られた、高エルギー粒子のダイナミクスその物理過程の理解の上に、未だその分布やダイナミクスがほとんど明らかにきれていない土星の放射線帯を明らかにするため、数値シミュレーションを行った。 土星内部磁気圏において中性粒子密度はプラズマ密度の10倍程度であると言われており、これら中性粒子と高エネルギーイオンの衝突が主要な消失メカニズムであることが考えられる。つまり、高エネルギーイオンと中性粒子の衝突による消失過程を評価するには、中性粒子のグローバル分布を知る必要がある。しかしながら、土星磁気圏内での中性粒子の観測は非常に少なく、グローバルな中性粒子密度分布は明らかになっていない。そこで、本研究では、高エネルギー電子の消失過程を明らかにするための第一歩として、中性粒子密度のグローバル分布を数値シミュレーションを行うことによろて明らかにした。結果として、水分子のソースであるEnceladus衛星軌道上において経度方向非一様な水分子密度分布が初めて再現された。また、OH,O分布は解離反応に伴う余剰エネルギーの加速を考慮して解いた。これら計算結果と観測値の比較はEnceladus付近では良い一致を示したが、広域の密度分布は再現できたかった。これはEnceladus以外の中性粒子起源の存在を示唆するものであった。現在、本結果を学術誌に投稿準備中である。 次に、この中性粒子密度を用いることによって3次元の拡散方程式を解くことによって、高エネルギーイオンの分布を再現し、観測結果と比較・検討していった。消失項としては中性粒子との衝突による電荷交換反応に加え、リング、衛星、波動の損失効果も加えた。結果としてイオンの最も支配的な消失過程は中性粒子との相互作用による電荷交換反応であることが示された。また、観測されたイオン分布をおおまかに説明する事ができた。 以上の成果を、国内外での学会・研究会で報告した。
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Report
(3 results)
Research Products
(22 results)