Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
van Geemen氏,van Straten氏,Nyggard氏は,ある具体的な3次元Siegel多様体の,正則微分3形式のL-関数が,ある楕円保型形式のL-関数のconvolution積になっているのではないかという予想を与えました.この予想問題の解決は,初年度の研究計画に掲げていたものでしたが,これを今年度の研究で解決しました.この微分形式はGSp(4)とGU(2,2)のテータ対応で現れるものである事を示し,この対応を詳しく観察する事で解決することができました. この予想の解決により,4次元Hermitian多様体上の微分形式(或いは保型表現)として,holomorphic discrete seriesとlarge discrete series表現(非正則,generic)に同じL-関数を持つものが現れるという現象を発見しました.このようにGSp(4)からのテータ対応で得られるGU(2,2)の保型表現は,その6次のL-関数がs=1で極を持ち,middle discrete series表現と呼ばれる,GU(2,2)特有の保型表現には現れないものであることも示しました.このテータ対応はGSp(4)とGL(4)の間のtransfer liftの,正にGL(4)をGU(2,2)で置き換えたものという見方ができます.GL(4)では,"志村多様体"という概念がありませんが,GU(2,2)ではそれがあるので,より興味深い結果になっているように思われます.実際,このテータ対応で得られるGU(2,2)のholomorphic discrete seriesには,正則微分4形式が現れます.
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