Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
発達障害の一つである自閉性障害は,定型発達との症状の連続性が指摘されており,自閉症スペクトラム障害と言われる。自閉症は社会性の障害が見られるのだが,これは定型発達者のみならず,他の発達障害においてもスペクトラム性を持つ可能性を検討するために,特にLD(学習障害)のある人と自閉症の認知特性は連続性があるのか,また自閉症の傾向とそれらは関係するのかを検討した。この成果は,「LD(学習障害)やLDの疑いのある人たちにみられる弱い中枢性統合の認知スタイル」という題目でLD研究に発表した。本研究は,LDやLDの疑いのある人たちを対象に自閉症スペクトラム指数(AQ),埋没図形課題,および運動コヒーレンス閾値を検討した。その結果,AQと運動コヒーレンス閾値に有意な相関が認められ,LDのある人たちにおいて自閉症に見られる認知特性の連続性が存在することを示唆した。これらの研究から自閉症のある人たちは,広域優先性の弱さがスペクトラムとして存在し,それが社会性との関連を示した。広域優先性の処理と注意機能の関係をみるために,アスペルガー症候群のある人たちを対象に広域処理の注意機能について検討を行った。その結果,これまで指摘されていなかったアスペルガー症候群の局所から広域への注意の切り替えの困難さを示す結果が得られた。 臨床研究としては,特別な教育的ニーズのある子どもたちへのIEP実践を行い,認知心理学的なアセスメントとアプローチによりエビデンスベースの実践を分析・報告した。本研究の結果,「軽度発達障害」のある子どもたちへのIEP実践の有効性が示唆された。
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