三角格子超伝導体二酸化コバルトナトリウム水和物のトポタキシー
Project/Area Number |
07J05834
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
太田 寛人 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 層状酸化物 / 核磁気共鳴 / 経時変化 / 異方的超伝導 / トポタキシー |
Research Abstract |
層状構造を有する水二層Na_xCoO_2・yH_2Oを合成し、組成分析を行った。具体的にはNaの組成x、水の組成y、またNaサイトを一部占有していると言われるH_3O^+イオンの組成である。TG-DTAによる熱重量分析を行い、試料の重量に占める水とオキソニウムイオンの重さを見積もった。その後、学外の高周波誘導プラズマ分光装置を用いて試料の残りの部分のNaとCoO_2の比率を測定した。この時、酸素欠損はないと仮定した。其の結果、経時変化する性質を利用して合成した電子相図上の様々な状態の試料の組成に系統的な変化は見られなかった。一方で、室温における粉末X線回折測定から見積もっか格子定数aおよびcを相図と対応させると、格子定数aはほぼ一定であったのに対し、cは系統的な変化を示した。すなわち、電子相図の横軸に対応する^<59>Co核四重極共鳴周波数ν_Qに対して、格子定数cはともに減少することが分かった。以上の結果は、次の二通りに解釈できる。まず一つ目は、経時変化にともなう試料中の組成の変化はなく、電子状態の変化はCoO_2面間の配置の変化に依るものとする解釈である。また、もう一つは組成の変化が起きたが、同じ試料の組成の経時変化を迫いかけたため、変化が観測出来なかったという解釈である。組成の変化が起きる場合、当然粒子の表面からイオン等の交換が起きると考えられる。この場合、交換したイオンは粒子の表面に留まると考えられるので、ICP等の化学的な分析ではイオンが粒子の内部にあるとして見積もれてしまったと考えられる。この結果は水二層Na_xCoO_2・yH_2Oの電子状態を議論するにあたって、安易に見積もった組成と物性を結びつけることの危険性を表している。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)
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[Presentation] 水二層 NaxCoO2・yH20 のμ'SR による研究2007
Author(s)
太田 寛人, 道岡 千城, 伊藤 豊, 吉村 一良, 池戸 豊, 杉山 純, P. L. Russo, E. J. Ansaldo, K. Chow, J. H. Brewer
Organizer
日本物理学会2008年春季大会
Place of Presentation
近畿大学
Year and Date
2007-09-23
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